歩行者とぶつかって警察を呼んでみた

もちろんぼくのことなので、こちらが無茶をしたり違反をしたりしたわけじゃない。歩行者が車道を歩いていて、おまけにすれ違いざまにこちらにエルボーを飛ばしてきたんだった。そうしておいて後ろから「戻ってこい、このやろう」と罵声を浴びせる。

ぼくはわりとこういう馬鹿を許せないたち。戻って「今、警察を呼ぶから」と電話をかけた。

その時点、こちらもかなり頭に来ているので刺し違えてでも「事件」にして「傷害」の被害届でも出してやろうかと思ってる。幸いに相手のエルボーはこちらの二の腕にヒットして、かつ二の腕前方じゃなく後方あたりにヒットしている。病院で調べればおそらくは全治2日くらいには診断してくれそうだ。

あほな自転車乗りが一番嫌いだけど、「何をやってもOK」と思ってる歩行者が2番目に嫌い。そういう奴に罵声を浴びせられて黙っているようなお兄さんとはお兄いさんのできが違うってこったな。

あと、阿呆な自転車乗りが多くて、全体的に自転車に対する反感が高まる昨今、被害者としての自転車乗りの話を警察がどこまで聞く耳を持って聞いてくれるかという興味もあった。

結局警察官は5名ほどやってきた。やってはきたが、車道での重症者のいない接触であると知ってほとんど興味を失ってはいる。ここで興味を失うというのは、まあある意味で正しい。目撃者もなく相手には酒も入ってる様子。どうせ「ちょっとした喧嘩」レベルの話だと判断してるわけだ。

相手の男は「自転車がぶつかってきた。危ないだろうと言ったらいきなり引き返してきて警察を呼んでわけのわかんないことをし始めた」なんてことを警官に伝えている。「自転車がぶつかってきて痛かった」という訴えは、だんだんと「かすっただけ」「タクシーを止めようと手を出したらぶつかった」なんてふうにトーンダウン。

警官も多少向こうの話に呆れたか。あるいは車道であって、車道歩行者の突然の動きによって「事故」ないし「事件」が発生したことに呆れたか。「どうしたいですか」とこちらに話をふってくる。「すれ違いざまに相手がエルボーを飛ばしてるしね。それはこちらの打撲の様子をみれば証明できると思う。つまりは事故ではなく事件として訴え出ようかと思ってるよ」。

警官が相手にこちらの意志を伝えると、なんでそんな面倒な話になるんだよ。ならばこちらとしては謝罪しても良い、なんてことを言い始めた(笑)。

こちらがもう少し重い怪我なりをしていればもう少し戦う気持ちもある。だけど実際上実害は何もないに等しい(全治1日とか2日なんてのはそのレベル)。「謝ってもらえるなら良いよ」。

まあ、またひとり、自転車に対して恨みをもつ人を作ってしまったかもしれない。だけど「どんだけ無茶やっても自分が勝てる」と思う馬鹿は減らせたのかなあなんて思う。

警官は「時代の悪者」である自転車乗りの話も聞くことがわかった。何か事故や事件があっても絶対に戦えるように、皆さんもきっちりと交通ルールを守りましょうね(^^)。行き過ぎた弱者優先が認められる交通ルール問題も、少しは「合理的」になってるんじゃないかと思いますよ。


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