人はなぜ「ひらあ(山好き)」になるんだろう。

at a pass on a hot day初めて峠に登ったときの記事はこれ。去年の10月27日の記事。

8月に自転車に乗り始めたぼくらは、8月・9月・10月の三ヶ月間は「峠」を知らないフツーのポタラーだった。だけど初峠以来、ブログ記事には数多く「峠」の語が含まれるようになった。

それまでは別に自然愛好家でもなんでもなく、「峠」というのも愛でる対象でもなく、もちろん登る対象でもなかった。それはただ「ある」ものだったんだよな。

何度も考える。人はなぜ「ひらあ」になるんだろうなあ。速い自転車乗りならタイムアタックだのなんだの楽しみがあるだろうし、トラベラーなら制覇した峠の数を増やすのも楽しいだろう。でもぼくらは単なる「ひらあ」。天目指峠が気に入ればそこばかり登っていても飽きない

ぼくが最初に挙げる回答は決まっているんだけど、他にもいくつか考えてみた。

  • 登ること以外、考えられなくなる
  • 異空間が広がる
  • 「境目」にある
  • すごい景色が待っている(こともある)

峠に登る人は、しばしば照れ隠しに「下りは気持ち良いよね」なんて言うけれど、本当は上りの方が好きな人も多いと思う。たとえばぼくがそう。下りに「爽快感」はあるけど、これは別に「好き」じゃない。

安物のぼくの足は天目指峠くらいで売り切れ気味になる。そんなとき、次の一歩しか考えられなくなる。「君のこと以外は考えられなくなる」(by 井上陽水)。次の一歩を必死に踏んで、そしてまた次の一歩を踏んでもまだ峠が続く。そうするうちにやがて終わりが訪れるのかどうか、どうでも良くなってくる。

ここまで純粋に没入する機会ってあまりないんだよなあ。楽しい。なんか言ってることにクサイにおいがあるけど、でも峠が好きな理由の第一はこれ。

まあそうは言っても常に、全ての峠で下界からシャットアウトされるわけではない。大垂水峠なんかだと「あの前の自転車抜いてやろうか」なんていう邪心が出ることもある(笑)。ただそういう峠でもやっぱり「異空間」だったりはするんだよな。

over the pass「おお、なんかすげースイッチバックだな」とか「あの花、最近よくみるけどなんだろう」とか、「ひええ、尺取り虫さん、ハンドルに落ちてこないでくれ」とか。取りあえずこんなこと、普段の生活でなかなか感じない。

また「境目」にあるのも楽しいな。上りと下りで全く風景の変わる峠もあれば、境目にいろいろな構造物があったりするのも楽しい。単純に「ここから別の街ですよ」という表記だけでも結構ハイな気分になれる。

「峠からの景色」については、これが目的というわけじゃないし、なくてもまあ別にショックは受けないんだけど、それでも良い景色が待っていると嬉しい。

20081027064215

sunset

mountain view

東京って、周囲に山ばかりなんだなと、なんか楽しくなってくる。

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