『サクリファイス』、読んだ。感想は「う〜む」。
二冊持っている『サクリファイス』、二冊目が届いてしまう前になんとか読了。
新潮社
売り上げランキング: 3752
![4.0](http://images-jp.amazon.com/images/G/09/x-locale/common/customer-reviews/stars-4-0.gif)
![4](http://images-jp.amazon.com/images/G/09/x-locale/common/customer-reviews/stars-4-0.gif)
![3](http://images-jp.amazon.com/images/G/09/x-locale/common/customer-reviews/stars-3-0.gif)
![5](http://images-jp.amazon.com/images/G/09/x-locale/common/customer-reviews/stars-5-0.gif)
![4](http://images-jp.amazon.com/images/G/09/x-locale/common/customer-reviews/stars-4-0.gif)
![5](http://images-jp.amazon.com/images/G/09/x-locale/common/customer-reviews/stars-5-0.gif)
読後第一感は「う〜む」。
まず本書の帯。「ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ—。」「二転三転する真相、リフレインし重さを増す主題、押し寄せる感動!」。「自転車ロードレースの世界を舞台に描く、青春ミステリの逸品」。
この帯は本書の内容をよくとらえていると思う。ただ内容の方に説得力が足りないように感じる。「二転三転する真相」の、少なくともひとつは、登場人物による無意味な情報隠蔽で生じるもの。これは「ノックスの十戒」や「ヴァン・ダインの二十則」などにある基本原則違反。まあ金科玉条ではないけれど、主要部分にあるこの無意味な隠蔽は読者をしらけさせる。
また、「エース」の行動に説得力が足りない。本書の主人公が「アシスト」の人物であることに甘えてしまっているんじゃないかと感じてしまう。極端な行動に走る「エース」の描写不足は、ロードレースというマイナー舞台に「よくあるストーリー」を持ち込んだステレオタイプに見える。
意地悪な見方をすれば「ロードレースのことを書きたいけど、テーマがないのでミステリ形式にしました」という風に見えてしまうんだよな。「謎」が有意味に見えず、浅薄な印象を受けてしまう。
但し、ロードレース自体のことは結構うまく書けているんじゃないかと思う。ロードレース界に関することなど、さほど報じられているわけもなく、本なんかも少ない。個人的にもほとんど情報を持っていないわけだけど、少なくともそんな私には説得力のある記述だった。
「ロードレース好き」には勧められる本だとは思うんだけど、それだけに「ミステリ」部分が残念に思えてしょうがない。
彼女のノーマルギアと、ぼくの山登りギア
「やっぱり次は、逆方向から山中湖を狙ってみないか」という話。大月駅まで輪行して、道坂峠を越えて道志みち、山伏峠を越えて山中湖、そして道志みちを戻って多摩サイコース。大月まで輪行して時間を稼げるし、橋本まで戻ればあとはどうとでもエスケープできる。
「1000m の峠を2つ超えるね、すごいね」。
そんな話をしながら思い出した。もうすぐ彼女のロードレーサーが納車される予定なんだけど、そういえばぼくのロードレーサーには 27T が付いているんだった…。彼女用にも 27T を用意するのも良いけれど、しかし一度はノーマルギア(当社比)で峠を登らせてみたいよなあ。とくに前3枚から変わった瞬間の苦悶の表情を見てみたい(?)。いや、まあ彼女はどうせ下りるから、そんなに苦悶はしないんだろうけど。
今度の日曜日までに間に合えば、1000m 峠を二つ、25T で登らせてみようかと思います。そのあとはとりあえず、ぼくの 27T と交換しよう。
う〜ん、DEFY 1。はやくこないかなあ(^^)。